なかなか伝えられないものの例

言語自体を語るときに多くの例が現れる。
 
たとえば、日本語の文は「主語と述語」が基本である(本当は、述語だけですよね?)が、
じゃあ、「主語」「述語」の意味を説明しなさい、と言われると結構難しい。
もちろん、トートロジー(同語反復)的に言い換えることはできるが、初学者には
なかなか伝わらないだろうと思う。
 
あるいは、「この語はこの語を修飾している」の「修飾」。
「そんなの簡単だ」と言う人に限って、実際の問題を解かせてみると、、、
あ、いえ、ごめんなさい、忘れてください。
 
英語では、たとえば、文型の区別。
よく「SVCでは S = C になりますね」と言われる。
私もそう思うのだが、しかし、上記の「=」には数学的な厳密さがない。
「I am a boy.」では「I = a boy」だが、「He looks happy.」では「He = happy」だろうか?
と言うと、「え?同じでしょ?」という人も多い。
しかし、これが同じに見える人と意見を交換するのはかなり難しい。
 
それから、たとえば、「犬」の定義を言える人はどれくらいいるだろう。
私は言えない。
しかし、どういうわけか、たいていの犬は見れば犬とわかる。
チワワもドーベルマンピレネー犬も、「犬」だと思えるのは、どうしてなんだろう。
こういうことも言葉ではなかなか伝えにくいものだと思う。
(でも「伝えにくい」であって「伝えられない」ではない。
 おじさん「できる」と信じているのである。)