娘の高校入試記3

私は私立高校で息子も同じ。
だから、娘の県立高校受験が、私にとってのはじめての県立高校受験だった。
そして、それは、想像以上のものだった。
 
私立(や国立)高校の場合、難しい学校だと、「合格確実」という人はあまりいなくて、
「受かればラッキー」なものだと思う。
私たちも、入学後、先生に「もう一度入試をやったら君らの半分は入れ替わるはず」と言われ、
みんな「そうだよなぁ」と思ったものである。
そういう難関にどうしてチャレンジできるかというとトリックがあるのだ。
それは、「複数高受験する」である。
 
息子にも第一志望の高校はあったが、ぶっちゃけ、「この中のどれかに入れればいいや」と
いう高校が3つほどあった。
それぞれの合格確率を1/2とすると、全部落ちる可能性は1/8、つまり7/8の確率でどれかに
入れるわけだ。
これは、絶対安心ではないが、まあ、受け入れられる確率だろう。
実は、これは、暴れそうになる妻をなだめるため、私がこっそり言っていたものだが、息子自身も
同じような計算をしていたことがわかった。
ただし、1校当たりの合格確率を6割としていたそうだ。
すると、3校中どれかに入れる確率は、117/125となって、相当安心な数値になる。
 
一方、県立高校はどうだろうか。
県立高校の倍率はとても低く、(ちゃんと選べば)合格確率は結構高いのである。
実際、県立受験者の多くは合格する。
しかし、そうは言っても、100%合格という人はあまりいないだろう。
たとえば、8割の確率と言われれば、結構高いと言える。
しかし、それでも、不安はあるだろう。
さらに、7割と言われたら、あるいは、6割だったら、、。
 
県立高校は、ちゃんと選びさえすれば合格する確率は高いのだが、複数高受験できない。
さらに言うと、なまじほとんどの人が合格するだけに、残念だったときのショックも大きいと思う。
そのため、本来合格率の低い私立高校より、かなり緊張させられることになると思うのだ。
 
もちろん、県立高校受験にもリスク回避のトリックはある。
それは、「合格確実な私立高校を受験しておく」である。
そういう高校は、基本的に県立高校に対応しており、決して、悪い選択ではない。
実際、そういう高校を第一志望にする子供もいる。
 
しかし、県立高校志望者は、やはり、県立高校に行きたいのだ。
それは、「私立を3つ受けてどれかに入れればいいや」という我々とはだいぶ違うように思う。
 
どんな制度にも誰かが不満を持つものだろう。
だから、私は、今の制度を批判するつもりはない。
しかし、感想を言うなら、県立高校をたくさん作って私立高校をその補助にしてしまうと、
ほとんどの子供が県立高校に進めることになり、全体的にはとてもハッピーに見えるが、
しかし、そうでもない子供がいることは事実だと思うのである。
何が言いたいということではないが、県立高校に負けない私立高校、県立高校より良いと
思える私立高校をたくさん育てておくことが、本当に「15の春を曇らせない」方法ではないかと
思うのである。
 
最後に、すべてのがんばった子供たちの幸せを願いたい。