ツルカメトンボからの雑談

先日書いた入試問題は以下のもの。
(開○中学。これに限りませんが、伏字○を入れるのは、そういう関係の方が間違って来て
 しまい、「ちっ。なんだこのブログは。時間を無駄にしたわ」となるのを避けるためです。
 実際、以下を読んでも、中学入試の役には立たないかと。)
 
問:
ツル、カメ、トンボの数をかぞえました。
かりにツルの数をカメの数とし、カメの数をトンボの数とし、トンボの数をツルの数と
すると、足の本数の合計は200本になります。一方、実際の足の本数も200本です。
実際のツルの数として考えられるものを全て答えなさい。
ただしそれぞれの生物の数は1以上とします。足の数はそれぞれ2、4、6本です。
 
小学生は方程式が使えないことになっているが、まあ、そんな制約に意味はないと思う。
で、ツル、カメ、トンボの数をx、y、zとすると、
 
 2x + 4y + 6z = 200
 6x + 2y + 4z = 200
 
2番目の式は、日本語の解釈次第で「4x + 6y + 2z = 200」にもなるが、どっちでも正解と
するらしいので、上のようにする。
足の数が全部偶数なところに出題者の優しさを感じなくもない。両方2で割れて、
 
 x + 2y + 3z = 100
 3x + y + 2z = 100
 
さて、変数が3つで式が2つ。うぬ。x、y、zは整数だから、その辺を利用するのだろう。
で、なんとなくyを消去すると、
 
 5x + z = 100 ただし、xとzは1以上の整数
 
たぶん、出題の元はこっちで、上の式を解いてほしかったんじゃないかと勝手に推測する。
この手の問題は不定方程式とかよばれているらしい。
答が1つに決まらないから「不定」というのではないかな?
個人的には、答が1つにならないものは苦手だが、たぶん、世の中の大部分の人がそうだろう。
そして、出題者は、たぶん、そういう世の中の風潮をよしとせず、出題したのだろう。
そもそも、この元ネタはディオファントスの式とか言うもので、数学者たち(代数の人々)が、
いたく好きなものらしい。困った人たちである。
 
たぶん、小学生的には、次のように解くんだと思う。
 
ちょっと実験してみる。
たとえば、xが100だと、あれ、zがマイナスになっちゃう。
じゃあ、xが20だと、う〜ん、zがゼロで、これもちょっとだめ。
じゃあ、xが19だとzが5。うん。いけそう。
じゃ、xは1以上だから、xを1とすると、zは95。これもよさそうかな?
すると、xは1から19までか。答、多いな。
ところで、yはどうなるんだろう?
えーと、y = 100 - 3x - 2z だから、あ、xやzがあんまり大きいとマイナスになっちゃうぞ。
xが19でzが5だったら、yは、、、33。あ、オッケーだ。
xが1でzが95だと、、、だめだめ、yはマイナスになるぞ。
そうか、xが19ならオッケーだけど、あんまりxが小さいとまずいんだ。
じゃ、xが18ならzは10、そのとき、yは26。おお、いいぞ。
じゃ、xが17ならzは15、そのとき、yは19。おお、いいぞ。
(中略)
じゃ、xが14ならzは30、そのとき、yは、、あ、マイナスだ。
じゃあ、xが許されるのは、19、18、17、16、15なんだな。
答は小さい順に書く方が普通かな。じゃ、15、16、17、18、19と。
 
いやー、こんなことができる小学生、賢いガ、、、あ、いや、お子さんですなあ。
(実際、入試的にはどう解くのか知らないので、受験生の親御さんは上を参考にしませんように。)
 
最近数学のテストがぼろぼろで妻に怒られた(らしい)息子にこの問題を聞かせると、
「トンボの足ってどうやって数えるの?」と。
え?あ、そうか、そうだね。
息子には問題の全文を言ってないので、そう思ったらしいが、なるほどである。
そして、「ツルの足とトンボの足を数えて足すなんて俺は認めないっ」。
 
えーと、続くかな。どうでもいい雑談に。