娘の暗算

新100マスは5日目になる。
1回目は20分かかったが、今は、6分台。
すごい進歩・・・と言えなくもないが、5日くらいで暗算力が進歩するはずはない。
これは、もともとあった能力がちゃんと発揮されただけなのだ。
それは、きちんと集中を高められるようになったということであり、100マスをやって
いれば誰でも経験することである。
(もちろん、それだけ集中できるようになったことは、本当に偉いと思う。)
 
このまま続けていれば、たぶん、暗算力もあがっていくだろう。
 
ただ、娘の場合、もうひとつ、クリアすべき課題があるように思う。
それは、娘は、たぶん、暗算を「特別なもの」と考えていることだ。
「さあ、問題出すよ。暗算して」と言って問題を出すと、さっとできるときと、
ものすごく時間がかかるときがある。
どうやら、娘には「暗算スイッチ」のようなものがあって、スイッチが入ると、
(私の期待としては)十分に速く暗算できる。
しかし、スイッチが入っていないと、スイッチを入れる段階に時間がかかるのだ。
暗算問題をいきなり出されて手間取っているときの表情は、「え〜と、暗算って、
どうやるんだっけ」と考えているように見える。
 
まあ、私が出す暗算問題くらいどうでもいいのだが、普通に数学の問題を
解くときにも、どうも暗算スイッチがオフであるように見える。
「普通、そこは暗算でしょ」という問題でも、筆算をはじめてしまうのだ。
娘は何でも、(つまり、タテ計算でも、)本当に丁寧に書く。
それは、大きな長所だと思うが、時間がかかるのも事実だ。
 
実は、これは、学校の指導と関係しているとも思う。
小中学校(もっと上でも)の数学では、原則、「解答の過程を書け」と言われる。
私はこの問題について真にすばらしい解答を思いついたが、この解答欄はせますぎて、
書くことができない。なんて書けば×なのだ。
(いつも同じネタでごめんなさい。)
 
もと塾の数学講師として、それはまったくその通りだと思う。
が、公立学校では、通常、ほとんどが「おそろしくやさしい計算問題」である。
(ごめんなさい。でも、本当ですよね。
 クラスの結構多くの生徒がそう思っているはずです。)
中には「見ただけで答が出るでしょ?」という問題も多いのだが、それでも、
タテ計算その他、きちんと解答を出す過程を書かなければならない。
(指導としては、よくわかるのですが・・・。)
 
で、娘は非常にまじめなので、どんなに明らかな計算でも、2桁以上なら、
必ず筆算をしようとするのだ。そのときは、暗算スイッチは完全オフである。
「え?暗算って何?それおいしいの?状態」。
私は、学校のやり方に文句を言わない方針だし、実際、「解答の過程を書け」は、
当然な指導であり、「やさしい問題しか扱えない」事情もわかる。
これは、学校としては、なんともいたしかたのないことなのだ。
 
ただ、その辺にはあたりさわりないように、娘には暗算スイッチを入れてほしいのだ。