小説とは?

子供たちが小説を読まない、と思っている。
まあ、娘はまだ小学生だからいいかと思うのだが。
 
でも、最近の小説は、私が好きになれない。
そこで、昔の小説がいいかと、一冊選んで買ってきた。
昔と言っても戦後のもので、名前の知れた名作であり、その小説の一部が
某通信添削の問題文になっていたことも決め手だった。
内容は、作者の自伝的小説ということで、成長の物語のようである。
が、私自身は読んだことがなかったので、過保護の私が先に読んでみた(笑)。
 
最初の一章を読んだとき、感動に胸が躍った。
何より、文章がしっかりしている。
その上で、物語性があり、主人公の少年の成長を期待させるものがあった。
最初に起こった事件こそ、教育的にどうかなーとも思ったが、そんな懸念を
吹き飛ばすものがあったのだ。
いいぞー、俺は、こういう本を、子供たちに読ませたかったんだ、と思った。
が、二章を読んで、疑問符が。
相変わらず、というか当然だが、最後まで文章が良く、「読ませる」内容だ。
しかし、なんだか、あれ?この展開は?
その疑問は三章で確信に変わった。
 
そして最後まで読んだ。
私は、断言しても良いが、この主人公は少しも成長していない。
ただただ、周囲の状況、特に、女性に流されているだけである。
(おまえは、○耕○かーっ。)
しかも、登場する「男の友達」には、いつも、反感やら悪意を持っている。
ひたすら、メメしい。ひたすら、ナサケナイ。
更に言えば、私がきらいな最近の作家(もしくは、最近の若者)の嫌な面
「神経質で、自分中心、他人の行動を自分に都合よく解釈する性質」を
持っているような気もする。(←これは推測。)
 
悪口を言いまくってすみません。
文章はすばらしい。
それは、最近の作家の追随を許すものではないと思う。
そういう意味では、子供たちにも読んでもらいたい。
私は、いったい、どうしたらいいのだろう。
 
(ただし、最後に不倫が出てくるので、まあ、その意味で、18禁だった。)
 
(この主人公は、ある意味、人生のごく初期に、その後の生き方を規定されて
 しまっているとも言える。
 が、そうであっても、私は、この主人公にまったく好感が持てないのだ。)