興味

どんなものにも勝る「勉強したくなる薬」は、「興味」だろう。
まあ、「正論」を吐くならば、興味があるから勉強するのであって、勉強をさせるために
興味を持たせるのは、本末転倒かもしれない。
興味がわかなければ、勉強なんかしなくていいと。
が、そんな「正論」はともかく、実際問題、「勉強に興味を持たせる」ということは、
非常に重要であろうと思う。
 
「どんな科目でもこうすれば興味がわく」という万能の方法を、私は知らない。
あったら教えてほしい。(と、多くの親が思っているだろう。)
よくあるもの、普通に考えられるものに、「日常生活の何かと勉強が実は関係が
あることを示して...」とか、「パズルのような問題を見せて...」とかがある。
これらは、「あっそうか、という発見の喜び」を、(擬似的にであれ)味わわせると
いうものだろう。私もこの路線でずいぶんがんばったつもりだ。
だが、やはり、そうそうネタがない。
(だから、実際には、ほとんど何もしていない。)
それもまた、多くの親にとって、厳然とした事実ではないだろうか。
 
そこで、ここでは、一見逆の方法があることを指摘したい。
それは、「その科目の基礎知識の暗記」である。
暗記は、一般には、喜びの要素の少ないものに考えられるのではないだろうか。
少なくとも、私はそう思っていた。
しかし、実は、暗記は、工夫すれば楽しくできる。
(暗記で重要なのは、リラックスと集中だと思う。また、仲間がいる方がずっといい。)
 
暗記をすると何がいいか。
それは、まず、「知識を増やしている」と思えるだけで、達成感・自己肯定感が得られる。
テストの点が上がる。(←なんだかんだ言って、これはとても重要。)
さらに、「知識が増えると、その科目への興味がわく」だと思う。
勉強科目への興味は、確かに、「発見」のようなものでわき上がるし、そういった「発見」は、
「その教科との望ましい出会い」だと思う。しかし、それだけでは、限界があるのだ。
もうひとつの「興味の源」は、「自分の中に蓄えられた知識」だ。
ひょっとすると自家撞着に陥りそうな論理だが、私は、正しいと思う。