富士山から帰宅

子供の頃、親に連れられていった富士山。
確か3000メートルのところで引き返して来たのだが、とても印象に残る冒険だった。
それで、昨日、息子と二人、日帰りの予定で富士登山を開始。
8合目まで来た段階で、(内心)下山しようとすると、息子が、「山小屋に泊まりたい」。
ためしに、山小屋に聞いてみると泊まれるとのこと。
急遽、家に電話し、妻と娘に謝って、泊まることに。
(電話が通じてよかった。泊まれるだけのお金持っててよかった。)
山小屋では、「ひとつの布団に3人」ということで、「息子+私+見ず知らずのおじさん」
の三人が同じ布団で一夜を明かすというとんでもない事態に。
息子は、ひとり元気に、落語の話をはじめるが、こっちは、「なんで落ちる話なんだよ」と
思いながら、隣のおじさんの生暖かい腕が背中に当たるのにじっと耐えていた。
どうせ日帰りとなめきっていた私たちは、半袖半ズボン。
朝は、真冬の防寒具をつけた人たちの隣で、震えながら、ご来光をおがむ。
すばらしかった。
そのあと登山を開始すると、これがまたつらい。
8合目までとそれ以後は、また、別の世界のような気がする。
足も痛いし、疲れもするが、何より、常時軽いめまいを感じるのだ。
軽い高山病だと思うが、登る以上、それに耐えるしかない。
(そのうち、歩幅を小さくすると、めまいがしないことに気がついた。)
とにかく、頂上まで到達して、測候所も見て、やっと下山。
 
息子は、うれしそうに「すごい経験だったよ」と。
その一言だけで、来た甲斐があった。