日本の地理教育はどこに行った?

最近、歴史の勉強をしていて、だいたいわかった気がする。
というのも、歴史に関しては、小中高それぞれのレベルで、実に豊富な参考書が書かれていて、
おまけに大人向きの歴史読本(でおもしろいもの)も少なくないため、ガンガン勉強することが
できたからだ。
「受験向きの算数の教材」が、私たちの頃に比べて、格段の進歩を遂げている話を何度かしたが、
同じことは歴史についても言えるのではないだろうか。
 
しかし、歴史がだんだんわかってきたので、地理を勉強しようと思って、困っている。
たとえば、中学の地理の参考書には、「○○県を調べる」などというタイトルのもと、
その県に関して、異様に詳しい記述がある。ところが、詳しい記述は、すべての県について
ではなく、いくつかの県が選ばれて行われているだけなのだ。
残りの県については、簡単なまとめがあるだけ。
つまり、いくつかの県に関しては、異様に詳しく、他の県についてはほとんど記述が無いのだ。
世界地理も、上記の「県」を「国」に置き換えれば、同様である。
 
いったい、日本の地理教育はどうなってしまったのだろうか。
いくつかの県や国について詳しいのは、「このように調べましょうね」という例であって、
詳しく取り上げていない地域については、自分で調べることが前提になっているように思う。
しかし、これでは、「地理について何も知らない子供」を大量生産するだけではないだろうか。
これには、どうにも、失敗した「ゆとり教育」のにおいがする。
 
歴史に関しては、私たちの子供時代より、むしろ充実しているように見える(学校の教科書
ではなく、いわゆる参考書の話)のに、地理は「めちゃめちゃになった」と思えるのだ。
 
ちなみに、本屋さんの大学受験参考書コーナーに行くと、地理の参考書の少なさに驚く。
みんな地理が嫌いになってしまったのだろうか。
(何度も書いているように、私自身は、学生時代、社会科全般が嫌いだったので、
 人を非難することはできないのだが。)
一方、中学入試の参考書では、地理もなかなか詳しい。
(ただ、日本地理に関しては、ちょっと詳しすぎで、逆に、外国については、小学生が
 対象なので、まったく当然だが、あまり詳しくないように思う。)