英語を話すコツ3

英語はゆっくり話してもよい、むしろ、日本人はゆっくり話したほうがよいという話をした。
 
ただし、ゆっくりでも、気をつけておくべきことがいくつかある。それは、
 1.アクセント
 2.個々の音
だ。項目1も項目2も同様に重要で、どちらが先とも言えないのだが、まず、項目1から話したい。
 
英語では微妙な気持ちを「イントネーション」で表すことが多い。
ただ、私の知る限りでは、これは「イントネーション」と言うより、accentと言う方が適切なので、以後、アクセントと言う。
ここで言うアクセントとは、単に、「音の強調」だけでなく、「音の高低」も含めるものである。
 
たとえば、同じ「I like this.」でも、Iに力を入れるか、likeに力を入れるか、thisに力を入れるかで意味が違う。
(Iに力を入れれば、「これを好きなのは、他の誰かではない、なんだよ」、
 likeに力を入れれば、「私が、これを嫌いなんてとんでもない、好きなんだよ」、
 thisに力を入れれば、「私が好きなのは、他のものではない、これなんだよ」
 などという意味になる。もちろん、状況に応じて、少しずつ異なるのだが。)
そんなことは、英語の習い始めで教わるし、ヘタをすると試験で何度も聞かれていると思う。
しかし、知識として知っているだけの人も多いと思う。(かつての私がそうだった。)
アメリカ人は(おそらく他の英語を話す人々も)、本当に、アクセントで気持ちを表しているのだ。
ここで注意してほしいことは、それが文化である以上、アクセントに無頓着な人間は、失敗をする可能性が高いということだ。
アクセントがよくないと、「意味が通じない」とか「変な話し方の外国人だな」と思われるだけで済まされないことも多い。
たとえば、「こいつ、かなり嫌な奴だな」と思われてしまうこともあるのだ。
 
「そんなばかな」と思うだろうか。あるいは、「それはかなり英語が上手になった人の話でしょ」とか。
私の経験では、英語初心者ほど、この間違いで「嫌な奴」になっている人が多いと思う。
アメリカでは、英語が「上手」で、意図的に嫌な奴になっている日本人も結構いる。そういう人の話は別。)
たとえば、英語初心者は、what系の質問をするときに、語数が少なく、強く言い過ぎる傾向があると思う。
「What is this?」なんて言うのは、言い方一つで、「なんだこれは?ふざけんなよ」という意味になる。
こんな言われ方をして、アメリカ人がかなりムッとなるのがわかることもある。
もちろん、本人にそんな気が無いのは、同じ日本人として痛いほどわかるのだが。
おまけに、日本人はアイコンタクトをしない傾向にあるので、思い切り嫌な奴になれます
(「What is this?」は、初心者は、とりあえず、語尾を強く下げすぎないのがよいと思う。)
 
こんな話をすると、日本で英語を勉強している人をビビらせるだけかもしれないが、そんなつもりはない。
私自身、そんな失敗を繰り返しても生き延びたので、他の人も絶対大丈夫なはずだ。
ただ、アクセントに気を使ってほしいということだ。
 
細かいニュアンスは、実際にネイティブの人と話さないとわからないと思う。
しかし、二つだけアドバイスがある。
 
 まず、とにかく、ブッキラボウにならないように気をつけること。
 (つまり、アクセントは重要だと意識すること。)
 
もうひとつは
 
 標準的なアクセントを覚えること。
 
標準的なアクセントとは、言わば、「普通の言い方」だ。自分の特別な気持ちは「普通の言い方」からの
ブレで表すことになる。だから、なんにしても、標準的なアクセントを覚えることが必須になる。
(まあ、「普通の言い方」で話していれば安全ということも言える。)
これは実は簡単だ。日本で売られている英語の教材の中にも、リズムを強調するものがある。
私の知る限り、よいものばかりだ。(保障はできないが。)
それらのうちの1つを選んで練習すればいいと思う。
 
補足:
「トツトツと話したら、アクセントはめちゃくちゃになるだろ」という人もいると思う。
本当に、ブツブツに切って話していれば、「ロボットみたい」と思われることはあっても「嫌な奴」にはならないだろう。
が、それは極端すぎるとして、「トツトツと話していても、それなりのアクセントはある」と言っておきたい。
気にしてさえいれば、身に付くと思うのだ。