「脱暗記」はあり得ない
今朝の新聞に「脱暗記」の文字が。入試改革だそうである。
例題があったが、県立高校の入試問題を彷彿とさせる、数学なのに文章が長いだけの問題だった。
その例題についても言いたいことはあるが、それはそれとして、根源的なことを言いたい。
それは、
脱暗記の入試は不可能である
である。
センター試験後継試験の出題者たちは、「暗記では解けない問題」を考えるのだろう。
それで、どのくらいの給料をもらって・・・あ、いや、それはいいや。
それで、そのような問題がたまれば、出題パターンができる。
で、塾や予備校は、資力と人材を投じて、パターンを研究し、生徒に教えることになる。
「パターンなんだから、暗記しろ」となるだろう。
パターンを学習している生徒としていない生徒では、有利不利がひどすぎる。
とは言え、たぶん、いろいろな理由で公立学校はパターンの解析はしないだろう。
(やってしまうと、塾のようになってしまい、公立学校はそれを嫌う。
それに「暗記では解けない問題」にパターンがあったらお話にならないので、
偉い人は「パターンなんかない」というフリを続けさせると思う。)
個人でパターンの研究なんかできないから、お金がある人は塾に行く。
お金がないなら、参考書でがんばる。
かくして、再び、暗記試験の世界が現れるわけである。
儲かるのは、塾業界のみ、と。
この連鎖を断ち切るためには、パターンにならない問題を出し続けるということになるが、
それは無理に決まっている。(そもそも例題からして見た事ありますです。)
もし、どうしても、脱暗記の入試をしたいなら、ハーツホーンなり、ニーチェなり、
普通の高校生なら読んでないような本を渡し、「半年後に試験をするから読んどけ」と言い、
実際に、口頭試問を含む試験をする、、、というようなものになると思う。
それは、大学院の入試で実際にやっていることである。
それを100万人近い子供たちにできると思う人は狂人である。