足揉みと突き指

妻が寝ていた。
そばに行ったら、「あら〜、足を揉むためにわざわざ来てくれたのぉ〜」と。
う。あ。まあ、ときどき足を揉んであげているのである。
 
「う、うん、そうだよ」と言って、揉んであげる。
が、その前に、よろけて、右手人差し指を柱に激突させた。
ポクッと響き渡る音とともに、激痛が。
 
しかし、妻は気がつかない様子。
いいでしょう。私も男だ。
私は、目じりに涙をにじませながらも、何も言わず、左手で足を揉んだ。
 
一通り終わると、妻がのたまう。
「あれ〜、なんか、今日はあんまり効かなかった」。
まあ、左手オンリーだったからさ。