ツルカメトンボからの雑談 2

この問題をちょっと小学生風でなく解くとどうなるか。
実際、これは、やさしめの大学入試問題であると思う。
 
 5x + z = 100
 
を出すまでは同じ。これは諸般の事情により
 
 5(x - 20) + z = 0
 
と書ける。
したがって、zは必ず5の倍数であることがわかる。そこで、
 
 z = 5m mは適当な整数
 
とおくと、x、それから、yもmで書ける。
 
 x = 20 - m ← 5(x - 20) = -z
 y = 40 - 7m ← y = 100 - 3x - 2z
 
なぜパラメータ1つで書けるかというと、変数が3つで式が2つだったから。
それでは、パラメータとしてmなどと言わず、たとえば、zを使えなかったか。
使える。その場合、zをパラメータと考えて、
 
 x = 20 - z/5
 y = 40 - 7z/5
 
この場合、「x、yが整数」という条件から、やっぱり、「zは5の倍数」が出る。
 
が、まあ、mで考えるほうがきれいだ。
で、x、y、zが1以上となるようにmを決めると、
 
 m = 1、2、3、4、5
 
だけが許されることがわかる。
よって、x = 15、16、17、18、19 がわかる。
 
ポイントは「5(x - 20) + z = 0」だろう。では、どうやって、
 
 5x + z = 100
  ↓
 5(x - 20) + z = 0
 
という変形ができたのか。
はるかな昔、大学受験の参考書には「目ノコで」と書いてあったような気がする。
特殊解をもとめてどうとかするという話を数学の先生に聞いたような気もする。
それは、たぶん、次のようなことだろうと思う。
 
 5x + z = 100
 
には解がたくさんあるが、とにかく1つ見つけてみる。たとえば、x = 20、z = 0 だ。
それはつまり、
 
 5・20 + 0 = 100
 
と書けるということだ。これを上の式から(辺々)引くと、
 
 5(x - 20) + z = 0
 
となって、先ほどの式が出る。なるほどね。
先生はこー言いたかったわけですね。30数年の時を越えて理解しました。
 
さて、一般に
 
 ax + by = d
 
という式があったとする。
これはdが「aとbの最大公約数」の倍数のときには解けるという。
なので、式をaとbの最大公約数で割って考え直すことにする。
 
つまり、はじめから
 
 ax + by = d ただしaとbは互いに素
 
という問題を考える。
で、特殊解x0、y0があったとすると、上の話と同様に
 
 a(x - x0) + b(y - y0) = 0
 
という式が出る。そうすると、
 
 y - y0 = -a(x - x0)/b aとbは互いに素
 
だから、y - y0 はaの倍数に相違いない。だから、これをamおく。
すると、
 
 x = x0 - bm
 y = y0 + am
 
となる。これが、ax + by = d の一般解になるわけだ。
 
あれ、雑談のつもりだったのに、何がしたいのかわからなくなったぞ。
ま、いいか。